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2026.10.15

外出先で不安が強くなった場合の対応は

認知症の方と外出したとき、突然「ここはどこ?」「帰りたい」と不安そうになったり、落ち着かなくなったりすることがあります。
その場で強く説明したり、無理に行動を止めたりすると、かえって不安が大きくなることもあります。
大切なのは、まず安心できる状態をつくり、本人の表情や動きを見ながら、できるだけ刺激を減らして対応することです。

課題の本質

外出先では、普段と違う場所・人・音・においなど、本人にとって処理しにくい情報が一度に増えます。

いつもの場所なら分かることでも、見慣れない環境では「何をすればよいのか」が分からなくなり、不安につながることがあります。

また、疲れや空腹、トイレに行きたい、暑い・寒いなどの身体的な不快感が重なっている場合もあります。

「なぜ不安なのか」を本人に説明してもらうことだけに頼らず、表情や動作から困っていることを探す視点が大切です。

実践のコツ

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1)まず安心できる場所へ移動する

手順

人の出入りが多い場所や大きな音のする場所から、少し離れた静かな場所へ誘導します。

「大丈夫ですよ。こちらで少し休みましょう」と短く伝え、急かさず本人の歩く速さに合わせます。

理由

刺激が多い場所では、不安や混乱がさらに強くなることがあります。

場所を変えるだけで、周囲から受ける情報量を減らせる場合があります。

観察ポイント

表情が少し穏やかになったか、声の大きさや動きが落ち着いたかを見ます。

立ち止まれる、座れる、周囲を見る余裕が出るなどの変化も手がかりになります。

よくある失敗

「ここにいてください」とその場で制止し続けることです。

本人が危険な場所にいる場合を除き、まず刺激を減らせる場所へ移ることを考えます。

2)言葉を短くして気持ちを受け止める

手順

「どうしたの?」と質問を重ねるより、「不安になりましたね」「一緒にいますよ」と伝えます。

一度に多く説明せず、本人の反応を確認しながら次の言葉を選びます。

理由

不安が強いときは、長い説明を理解することが難しくなる場合があります。

正しさを伝えるより、「分かってもらえた」と感じられることが安心につながります。

観察ポイント

目線が合うか、表情が和らぐか、同じ言葉の繰り返しが減るかを見ます。

よくある失敗

「さっき説明しました」「ここに来ることは分かっていたでしょう」と正しさを求めることです。

事実の訂正より、今の不安を小さくすることを優先します。

3)身体的な不快感を確認する

手順

「お手洗いは大丈夫ですか」「少し休みますか」「お水を飲みますか」など、具体的に確認します。

暑さ・寒さ、疲れ、空腹なども確認し、必要なら予定を短縮します。

理由

本人が不安の理由を言葉で説明できなくても、身体の不快感が落ち着かなさとして表れることがあります。

観察ポイント

落ち着かず歩き続ける、衣服を気にする、顔をしかめる、飲み物を求めるなどの変化に注目します。

よくある失敗

「認知症だから不安になっている」と決めつけることです。

身体的な不快感や体調の変化が隠れていないか、毎回確認することが大切です。

4)帰る・続けるを本人と相談する

手順

休んでも不安が続く場合は、「もう少し休みますか」「帰りますか」と選びやすい形で尋ねます。

安全面を確認しながら、外出を続けることだけを目標にしないことも大切です。

理由

本人が強い不安を感じているときに予定を優先すると、外出そのものが苦痛な経験になってしまうことがあります。

観察ポイント

休憩後も不安が続くか、歩行や会話が普段と大きく違わないかを確認します。

いつもと違う強い変化がある場合は、無理に予定を続けないことも考えます。

よくある失敗

「せっかく来たのだから」と予定を最後までこなそうとすることです。

外出の目的は予定を達成することだけではありません。安心して過ごせたことも大切な成果です。

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チェックリスト

  • 人混みや大きな音を避けられる場所がある
  • 休憩できる場所を事前に確認している
  • トイレの場所を把握している
  • 水分や必要な休憩を確保している
  • 本人に短く分かりやすく伝えている
  • 予定を短縮して帰る選択肢を持っている

ミニQ&A

Q. 「家に帰りたい」と何度も言われたらどうすればいい?
A. 「帰りたいんですね」と気持ちを受け止めたうえで、静かな場所へ移動したり休憩したりします。正しさを説明し続けるより、安心できる状態をつくることを優先しましょう。
Q. 外出を続けるか帰るか、迷ったときは?
A. 本人の不安の強さ、安全面、疲労の程度を見ながら判断します。休んでも落ち着かない場合は、予定を変更して帰ることも大切な選択肢です。
外出先で不安が強くなったときは、「どうして分からないの?」と原因を追及するより、「今、何がつらいのだろう」と本人の様子を見ることから始めましょう。
まず静かな場所へ移動し、短い言葉で安心を伝え、疲れやトイレなどの不快感を確認する。この3つだけでも十分です。明日の外出では、休憩場所を1つ決めておくことから始めてみてください。
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