GHブログ

NEWS

2026.08.27

デイサービスに行ってくれない

「今日は行きたくない」「家にいたい」とデイサービスへの外出を嫌がる男性は少なくありません。
ただし、「男性だから外に出たがらない」と決めつけるのは禁物です。本人のこれまでの生活、役割、性格、体調、サービスへの不安などを丁寧に見ていくことが大切です。この記事では、行きたくない背景を考えながら、無理なく外出につなげる4つの対応を紹介します。

課題の本質

デイサービスを嫌がるとき、表面上は「面倒」「行きたくない」という言葉でも、その奥にはさまざまな理由があります。
たとえば、知らない人が多い場所への不安、何をするのかわからない戸惑い、「介護される人になった」と感じる抵抗感などです。

特に、長く仕事をしてきた人の場合、これまで「自分が役割を持つ側」だったのに、突然「世話を受ける側」になることを負担に感じることがあります。

一方で、女性より男性のほうが必ず外出を嫌がる、という単純な傾向で説明することはできません。性別ではなく、本人にとってデイサービスがどのような場所に見えているのかを考えることが重要です。

実践のコツ

```

1)「行って」と説得する前に理由を探る

手順

まず「どうして行きたくないの?」と追及するのではなく、「今日は気が進まないんですね」と気持ちを受け止めます。

そのうえで、表情や会話、前日の様子などから理由を探ります。
「人が多いのが嫌」「朝がつらい」「何をする場所かわからない」など、本人なりの理由がないか確認します。

理由

本人にとっては、拒否することが不安や困惑を伝える方法になっている場合があります。

理由を無視して説得を続けると、「自分の気持ちをわかってもらえない」という不信感につながることがあります。

観察ポイント

デイサービスの話をしたときの表情、声の大きさ、落ち着きの変化を見ます。

特定の職員や利用者、活動、送迎車などに反応していないかも手がかりになります。

よくある失敗

「みんな行っているから」「行けば楽しいよ」と正論で押し切ることです。

まず不安を受け止め、「何が嫌なのか」を一緒に整理する姿勢を持ちましょう。

2)本人の「得意」や役割を入口にする

手順

「介護を受けに行く場所」と伝えるだけでなく、本人が得意だったことや好きだったことにつなげて誘います。

たとえば、新聞を読む、将棋をする、植物を見る、道具を使うなど、本人の生活歴に合わせて声をかけます。

理由

自分の経験や得意分野が生かせると、「連れて行かれる場所」から「自分が参加する場所」へ印象が変わることがあります。

自尊心を守りながら外出へのきっかけを作れる点も大切です。

観察ポイント

本人が話を続ける話題、表情が明るくなる活動、自然に手を伸ばす道具などを観察します。

過去の仕事や趣味の話から、現在も取り組みやすいことを探します。

よくある失敗

本人の経験を確認せず、「高齢者向けだからこれが好きだろう」と決めてしまうことです。

昔の仕事や趣味を本人や家族から聞き、その人らしい役割を考えましょう。

3)誘うタイミングと説明をシンプルにする

手順

朝になってから長く説明するより、前日から予定をわかりやすく伝えます。

当日は「今日はデイサービスの日です。準備をしましょう」と、1つずつ短く声をかけます。
服を選ぶ、洗面する、玄関へ向かうなど、行動を細かく分けます。

理由

認知症では、長い説明や複数の指示を一度に理解することが負担になる場合があります。

予定が見えない不安を減らし、今やることを1つに絞ることで動きやすくなることがあります。

観察ポイント

どの段階で拒否が強くなるのかを見ます。
起床時なのか、着替えなのか、玄関なのかによって、困っていることが違う可能性があります。

よくある失敗

「今日は絶対行かなきゃ」「もう迎えが来るよ」と急かすことです。

時間的な余裕を持ち、できている行動を認めながら次の一歩を促します。

4)「行かせる」より、安心して出られる条件を整える

手順

本人が落ち着いている時間帯、好きな服、慣れた持ち物などを確認します。

送迎時も、本人が安心できる職員や声かけの方法をできる範囲で共有します。

理由

外出への拒否は、その日の体調や気分、環境によって強くなることがあります。

毎回同じ方法で対応するのではなく、「今日は何が負担になっているのか」を考えることが大切です。

観察ポイント

睡眠、食欲、疲れ、痛みの訴え、表情、歩き方など、普段との違いを確認します。

拒否が急に強くなった場合は、本人の体調や生活上の変化がないかも振り返ります。

よくある失敗

拒否をすべて「わがまま」や「認知症だから」と考えてしまうことです。

いつもと違う拒否が続く場合は、家族や介護職などで情報を共有し、無理をさせないことも大切です。

```

避けたい対応

「男なんだからしっかりして」「家にいても仕方ないでしょう」と責めることは避けましょう。
外出できないことを恥ずかしいこととして扱うと、本人の自尊心を傷つけ、さらに拒否が強くなる場合があります。
また、家族だけで抱え込まず、デイサービス側にも「何が嫌なのか」「どんな誘い方なら動きやすいのか」を伝えて、対応をそろえることが大切です。

チェックリスト

  • 拒否の理由を決めつけていない
  • 本人の生活歴や得意なことを知っている
  • 予定を短くわかりやすく伝えている
  • 出発を急かしていない
  • 拒否が強くなる時間や場面を記録している
  • 体調や睡眠など普段との違いを見ている
  • 本人の自尊心を傷つける言葉を使っていない
  • 家族とサービス側で情報を共有している

ミニQ&A

Q. 男性だからデイサービスを嫌がりやすいのでしょうか?
A. 性別だけで判断することはできません。これまでの生活歴、仕事での役割、性格、体調、サービスへの印象などを合わせて考えることが大切です。
Q. どうしても行きたがらない日はどうすればよいですか?
A. 無理に説得するのではなく、その日の体調や気分、拒否の理由を確認しましょう。強い拒否が続く場合は、家族や介護職間で状況を共有し、誘い方や利用方法を見直すことも選択肢です。
デイサービスに行きたがらないとき、「どうしたら行かせられるか」だけを考えると、本人とのやり取りが苦しくなります。まずは「何が嫌なのか」「何なら安心できるのか」を1つ見つけてみましょう。明日は、本人が好きだった話題や得意だったことを1つ思い出し、それをきっかけに声をかけてみてください。小さな納得の積み重ねが、外へ出るきっかけにつながります。
TOP