認知症の方が家具や壁につかまりながら歩き、夜間に何度もトイレへ向かう場合は、わずかな段差や暗さが転倒につながることがあります。また、外出時は車いすを使用していても、室内では歩く機会が多く、生活環境の工夫が重要です。この記事では、日常生活の中で無理なく取り入れられる転倒予防のポイントを紹介します。
01課題の本質
認知症の方は「歩ける能力」が残っていても、注意力や判断力、距離感が低下していることがあります。さらに夜間は眠気や暗さ、トイレを急ぐ気持ちが重なり、転倒の危険性が高まります。
転倒予防では「歩かせない」のではなく、「安心して歩ける環境」を整えることが大切です。
転倒予防では「歩かせない」のではなく、「安心して歩ける環境」を整えることが大切です。
02実践のコツ
1)歩く動線を整理する
ベッドからトイレまでの通路に物を置かず、コードやラグを片付けます。
つかまり歩きでは少しの障害物でもバランスを崩しやすいためです。
いつもどこにつかまり、どこでふらつくかを確認しましょう。
模様替えで家具の位置を頻繁に変え、歩くルートを変えてしまうことです。
2)夜間トイレを安全にする
足元灯を設置し、トイレまでを明るく保ちます。滑りにくい履物も準備します。
暗い場所では段差や物が見えにくく、急ぐことで転倒しやすくなります。
起きる時間帯や歩く速さ、眠気の強さを確認します。
「慣れているから大丈夫」と照明を付けないままにすることです。
3)つかまり歩きを支える
しっかり固定された手すりや安定した家具を利用し、キャスター付き家具は避けます。
動く物につかまると、そのまま転倒につながる危険があります。
立ち上がりや方向転換でふらつきがないかを見守ります。
歩けるからと安心し、一人で長距離を歩いてもらうことです。
4)車いすへの移乗を丁寧に行う
車いすのブレーキを確認し、フットサポートを上げてから、一つずつ声をかけて移乗します。
移乗時は立位が不安定になりやすく、転倒事故が起こりやすい場面だからです。
足に力が入っているか、疲労や息切れがないかを確認します。
ブレーキ確認を忘れたり、急がせたりすることです。
03チェックリスト
- 歩く通路に物がない
- 足元灯を設置している
- 滑りやすいマットがない
- 安定した家具につかまれる
- トイレまで移動しやすい
- 車いすのブレーキ確認を習慣化している
04ミニQ&A
Q. 夜間のトイレ回数が多いときは歩かせない方が良いですか?
A. 無理に止めるのではなく、安全に移動できる環境を整え、必要に応じて見守りを行いましょう。
A. 無理に止めるのではなく、安全に移動できる環境を整え、必要に応じて見守りを行いましょう。
Q. 外では車いすなのに家では歩いても大丈夫ですか?
A. 本人の体力や状態に応じて歩くことは大切ですが、安全な環境と見守りを組み合わせることが重要です。
A. 本人の体力や状態に応じて歩くことは大切ですが、安全な環境と見守りを組み合わせることが重要です。
転倒予防は「歩かないようにする」ことではなく、「安心して生活できる環境を整える」ことから始まります。まずは今日、ベッドからトイレまでの動線を見直し、つまずく原因がないかを確認してみましょう。小さな改善の積み重ねが、本人の安心と自信を守り、ご家族や介護者の不安軽減にもつながります。
