夏になると「暑いから危ない」と止めても、認知症の方が外へ出たがることがあります。家族や介護者にとっては熱中症や脱水が心配になり、不安が大きくなる場面です。しかし、無理に止めるだけでは興奮や不安が強くなり、かえって外へ出ようとすることもあります。大切なのは、出たい理由を理解しながら安全を確保することです。今回は、夏場の外出・徘徊への具体的な対応方法を紹介します。
01課題の本質
「危ないから行けません」と否定されると、不安や怒りが強まり、さらに外へ出ようとすることがあります。まずは行動を止めるよりも、「なぜ出たいのか」を理解する姿勢が安心につながります。
02実践のコツ
```1)まずは気持ちを受け止める
「暑いからダメ」と止める前に、「どちらへ行かれるんですか?」と穏やかに話を聞きます。
目的を確認した後、「少しお茶を飲んでから一緒に考えましょう」と自然に話題を切り替えます。
気持ちを否定されないことで安心し、興奮が落ち着きやすくなります。
表情が和らぐか、足取りが止まるか、会話に応じられるかを確認します。
「何回言ったら分かるの!」と強く制止すると、抵抗が強くなることがあります。
2)外出するなら短時間・安全第一
どうしても外へ出たい場合は、早朝や夕方など比較的涼しい時間を選び、一緒に短時間だけ歩きます。
帽子や日傘、水分を準備し、日陰を選んで歩きます。
完全に禁止するより、安全な形で気持ちを満たした方が落ち着くことがあります。
汗の量、顔色、歩く速さ、息切れ、疲れた様子がないか確認します。
真昼の暑い時間帯に付き添ってしまうことは、熱中症の危険が高まります。
3)こまめな水分補給を習慣にする
喉が渇く前に、お茶や水を少量ずつ勧めます。
外出前・帰宅後にも水分補給を取り入れましょう。
認知症では喉の渇きを感じにくく、自分から飲まない方も少なくありません。
口の乾燥、尿量や尿の色、元気の有無などを日頃から確認します。
「飲みたくなったら飲むだろう」と本人任せにしてしまうことです。
4)万が一に備えて見守り体制を整える
名前や連絡先が分かるものを身につけてもらい、近所の方とも情報を共有しておきます。
真夏は短時間でも熱中症になる可能性があり、早期発見が重要になります。
外へ出たがる時間帯や曜日など、行動パターンを記録しておくと予防につながります。
「今日は大丈夫だろう」と油断して目を離してしまうことです。
03チェックリスト
- □ 外出前に水分補給をした
- □ 帽子を着用している
- □ 暑い時間帯を避けた
- □ 同行者がいる
- □ 本人の目的を確認した
- □ 帰宅後も水分補給を行った
04ミニQ&A
```A. 危険な時間帯は避ける必要がありますが、状況によっては安全を確保しながら短時間付き添う方が、本人の気持ちが落ち着くことがあります。
A. 顔色が悪い、汗が極端に少ない・多い、ぐったりしている、反応が鈍いなどは注意が必要です。意識がはっきりしない場合や自力で水分が取れない場合は、速やかに医療機関への相談や救急要請を検討してください。
