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2026.07.09

食事中のムセ込み

認知症の方の「むせ」は、年齢による飲み込む力の低下だけでなく、姿勢や食事環境、急がせる声かけなど、さまざまな要因が重なって起こります。むせが増えると食事が怖くなり、食欲低下や誤嚥(ごえん)のリスクにつながることもあります。毎日の食事を安全で楽しい時間にするために、今日から実践できる予防のコツを確認していきましょう。

01課題の本質

認知症が進むと、食べることへの集中が続きにくくなったり、口の中の食べ物をうまくまとめられなくなったりします。また、薬の影響や口の乾燥、筋力低下によって飲み込む動きが弱くなることもあります。

むせは「食べ方が悪いから起こる」のではなく、身体の変化や環境の影響を知らせるサインです。回数やタイミングを観察しながら、本人に合った食べ方を整えていくことが大切です。

02実践のコツ

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1)姿勢を整えてから食事を始める

手順

椅子に深く座り、足裏を床につけます。

少しあごを引き、前かがみになり過ぎない姿勢を作ります。

理由

姿勢が崩れると食べ物が気管へ入りやすくなります。

安定した姿勢は飲み込む力を引き出します。

観察ポイント

頭が後ろへ反っていないか、体が傾いていないかを確認します。

よくある失敗

ベッドを起こしただけで食事を始めることです。

骨盤がずれていると、むせが増えることがあります。

2)一口量を少なくする

手順

スプーンは小さめを使い、一口ずつゆっくり提供します。

飲み込んだことを確認してから次を勧めます。

理由

口の中に食べ物が多いと、まとめて飲み込みにくくなります。

観察ポイント

口の中に食べ物が残っていないか、飲み込むまでの時間を見ます。

よくある失敗

「早く食べて」と急がせたり、大きな一口を勧めたりすることです。

3)食事に集中できる環境を作る

手順

テレビを消し、周囲の声や物を減らします。

一度に複数のおかずを勧め過ぎないようにします。

理由

認知症の方は刺激が多いと食べる動作が中断しやすくなります。

観察ポイント

よそ見や会話中にむせていないかを確認します。

よくある失敗

にぎやかな場所で急いで食事介助をすることです。

4)口の状態を整える

手順

食前に口を湿らせたり、口の体操をしたりします。

義歯がある場合は装着状態も確認します。

理由

口が乾いていると食べ物がまとまりにくく、飲み込みにくくなります。

観察ポイント

口臭、乾燥、舌の動き、義歯のぐらつきなどを見ます。

よくある失敗

口腔ケアを後回しにして、そのまま食事を始めることです。

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04チェックリスト

  • 椅子の高さは合っている
  • あごが上がり過ぎていない
  • 一口量が多過ぎない
  • テレビや騒音を減らしている
  • 口の乾燥を確認した
  • 食後の咳や声の変化を見ている

05ミニQ&A

Q. 水分でよくむせる場合はどうしたらよいですか?
A. 一気飲みを避けて少量ずつ飲みましょう。むせる回数が増えている場合は、かかりつけ医や専門職へ相談することも大切です。
Q. むせがない日は安心してよいですか?
A. 体調や疲れによって状態は変わります。食後の咳や声のかすれなど、小さな変化も継続して観察しましょう。
食事中のむせ予防は、特別な技術だけでなく「姿勢を整える」「急がせない」「口の状態を見る」といった小さな工夫の積み重ねです。すべてを一度に変える必要はありません。まずは今日の食事で一つだけ意識してみましょう。その小さな変化が、本人の安心と安全な食事時間につながっていきます。
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