便秘や下痢があると、認知症の人がいつもより落ち着かなくなったり、怒りっぽくなったり、介助を嫌がったりすることがあります。そんなときは「認知症の症状が悪化した」と決めつけず、まず排便の状態を確認してみましょう。便秘と下痢、それぞれの特徴と対応を整理し、本人の変化を早く見つけるポイントを紹介します。
課題の本質
そのため、便秘や下痢が「怒る」「そわそわする」「何度もトイレを気にする」「介助を拒む」といった行動として表れることがあります。
便の状態だけを見るのではなく、「排便の変化」と「いつもと違う行動」をセットで観察することが大切です。
実践のコツ
```1)まず「いつもとの違い」を確認する
- 手順
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排便の回数、便の硬さ、水っぽさ、量などを確認します。
同時に、食事量・水分量・活動量や認知症の症状の変化も見ます。
- 理由
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「何日出ていないか」だけでは、その人の状態を判断しにくいためです。
普段の排便と比べることで、小さな変化にも気づきやすくなります。
- 観察ポイント
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お腹を押さえる、表情が険しい、食欲がない、落ち着かないなどの変化を見ます。
- よくある失敗
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「3日出ていないから便秘」と日数だけで判断することです。
本人の普段の排便リズムと合わせて考えましょう。
2)便秘は「出ない」以外のサインを見る
- 手順
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排便の間隔と便の硬さを確認し、水分や食事、活動量も振り返ります。
トイレに座る時間を急かさず、本人が落ち着ける環境を整えます。
- 理由
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便秘では腹部の張りや不快感が生じ、それが行動の変化につながることがあります。
- 観察ポイント
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お腹の張り、食欲低下、排便時の苦痛、いきみ、普段より強い不機嫌さを確認します。
- よくある失敗
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出ないことに焦って、本人に何度も「出た?」と聞くことです。
排便へのプレッシャーを強めず、状態を記録して必要に応じて医療職へ相談します。
3)下痢は「回数」と「全身状態」を見る
- 手順
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便の回数、性状、水分摂取量、食事量を確認します。
トイレへ行きやすい動線を整え、失敗しても責めないようにします。
- 理由
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下痢が続くと、脱水や疲労などによって体調を崩すことがあります。
本人が「トイレに間に合わない」と不安になり、落ち着かなくなる場合もあります。
- 観察ポイント
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ぐったりしていないか、飲食できているか、尿が極端に少なくないかなどを確認します。
急な眠気や混乱など、普段と違う変化にも注意します。
- よくある失敗
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「またトイレ?」などと注意してしまうことです。
不安や羞恥心を強めることがあるため、安心してトイレへ行ける環境を優先します。
4)急な認知症症状の変化は体調も確認する
- 手順
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急に混乱が強くなった場合は、便秘や下痢だけでなく、発熱、痛み、水分不足なども確認します。
いつから変化したのかを記録し、普段の状態と比較します。
- 理由
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認知症の人は、身体の不調をきっかけに急に混乱が強くなることがあります。
「認知症だから」と考えるだけでは、体調変化を見逃す可能性があります。
- 観察ポイント
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急な興奮、反応の鈍さ、強い眠気、普段と違う言動などがないかを見ます。
- よくある失敗
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「いつもの認知症」と考えて、急な変化を長く様子見することです。
明らかな急変や強い体調不良がある場合は、早めに医療職へ相談しましょう。
チェックリスト
- 普段の排便リズム
- 便の硬さ・水っぽさ
- 排便回数・量
- 食事量・水分量
- 腹部の張り・痛み
- 食欲・活動量
- トイレへの不安
- 普段と違う認知症症状
ミニQ&A
A. 必ずとはいえません。ただし、便による不快感や体調不良が行動の変化に関係している場合は、体調が整うことで落ち着くことがあります。
A. 便の状態だけでなく、食事・水分・活動量・服薬状況なども含めて記録しましょう。繰り返す場合や気になる症状がある場合は、記録を医療職に見てもらうと状況を共有しやすくなります。
まずは「便はいつもと違わないか」「本人の様子は変わっていないか」の2つを確認してみましょう。記録する項目を決めておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。明日からは、排便と一緒にその日の表情や行動も1つ記録するところから始めてみましょう。
