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2026.01.07

ご飯の姿勢

食事中の「むせ」は、誤嚥(ごえん)や肺炎につながる心配があり、介護現場でも家庭でも大きな不安になります。実は、食形態を変える前に姿勢と声かけを整えるだけで、むせが軽減するケースは少なくありません。この記事では、今日から実践できる具体策を、理由と観察の視点つきで解説します。

課題の本質

認知症が進むと、食べる動作の段取り感覚の調整が難しくなります。
姿勢が崩れたまま食べる、飲み込む前に次の一口を入れる、声かけが急で焦ってしまう――。
これらが重なると、喉の動き(嚥下)が追いつかず、むせが起こりやすくなります。
大切なのは「急がせない」「身体が飲み込みやすい形を先につくる」ことです。

実践のコツ

1)椅子と身体を先に整える

手順

足裏が床につく高さに椅子を調整します。

背もたれに深く座り、軽く顎を引いた姿勢をつくります。

理由

姿勢が安定すると、喉と食道の動きが連動しやすくなります。

顎が上がると誤嚥のリスクが高まります。

観察ポイント

顎が上がっていないか、身体が斜めになっていないか。

食事中にずり落ちてこないか。

よくある失敗

食事を出してから姿勢を直そうとする。

結果として本人が動揺し、むせにつながります。

2)一口量を「見て」合わせる

手順

最初は小さじ1杯程度から始めます。

飲み込みを確認してから次の一口へ。

理由

一口量が多いと、喉の準備が追いつきません。

成功体験を積むことで食事が安定します。

観察ポイント

飲み込んだ後の呼吸音、喉の動き。

口の中に残っていないか。

よくある失敗

「早く食べてほしい」と量を増やす。

むせが続き、食事自体を嫌がる原因になります。

3)声かけは短く、間をとる

手順

「ゆっくり」「ごっくんしてから」など短い言葉を使います。

声かけ後は数秒待ちます。

理由

長い説明は理解が追いつかず、焦りを生みます。

間があることで自分のペースを取り戻せます。

観察ポイント

声かけ後の表情変化。

飲み込む動作が出ているか。

よくある失敗

続けて何度も声をかける。

指示過多で混乱し、むせを誘発します。

4)むせた後は「中断」が基本

手順

むせたら一度食事を止めます。

呼吸が落ち着いてから再開します。

理由

むせ直後は喉が過敏になっています。

続けると再度むせやすくなります。

観察ポイント

咳の強さ、呼吸の速さ。

顔色や疲労感。

よくある失敗

「大丈夫」とすぐ次を勧める。

結果的にむせが連続します。

チェックリスト

  • 足裏は床についている
  • 顎が上がっていない
  • 一口量は適切
  • 声かけは短い
  • 飲み込み確認ができている
  • むせ後に休めている

ミニQ&A

Q. とろみをつけてもむせます。
A. 姿勢や一口量、声かけの間が合っていない可能性があります。まず環境面を見直しましょう。
Q. むせると食事をやめたがります。
A. 一度休憩し、落ち着いてから再開すると安心感が戻りやすくなります。
むせを減らす支援は、特別な技術よりも「整える」「待つ」ことの積み重ねです。今日の食事で、まずは椅子と足元を確認し、声かけを一言減らしてみてください。その小さな変化が、安心して食べられる時間につながります。
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